『S』誌の1984年のある号は、このような化学的な立場から考えて、自然とは科学者にとってどんなものなのかということに関して明らかにした。
軟骨と題した論文でA・K博士は次のように書いている。 「その物質(血管造成抑制要素)は、発見する価値の十分あるものである。
腫瘍の増殖には血液の供給が十分でなければならないという理由だけによってもそうである。 その要素は多分、軟骨のなかに存在するものであって、それを増殖中の腫瘍に用いれば血液の供給を断ち、腫瘍を死滅させることができよう。
いずれにせよ、そういう要素の探究は多くの大学や研究機関で行なわれており、その研究プログラムは腫瘍の増殖や病気の動向、病気そのもののさまざまな局面に関係するようないくつかの物質を軟骨から分離し、純粋抽出することを目的として進められている」なぜ、軟骨からある物質を分離し、純粋抽出することにそれほどの努力がなされているのか?なぜ研究者や医者は、乾燥させた自然の軟骨そのものを丸ごと使わないのか?それはたぶん、彼らの見方が狭く、同時に彼らが経済的利益を重視しているという2つの理由によろう。 FDAが自然な物質には好意的でないので、国立公衆衛生院のような組織もそういう物質の研究への資金援助には乗り気でない。
そのことから、化学的に純粋なかたちにできないようなものの研究は、自動的に問題外とされてしまうようになっている。 だが、このような化学的なやり方でできる産物は、しばしば毒性や副作用も持ち、しかも消費者にとっては負担が大きいものになるのである。
企業はFDAの認可を得るために多額の資金を使わねばならず、それには最長で20年もの年月と、平均で2億3100万ドル(約254億円)が必要だと、T大の最近の調査は指摘している。 だが、普通の科学者が鮫の軟骨そのものを使う代わりに、その有効成分の合成を意図し続けていることには、危険が常について回っている。
そしてその危険とは、生命の喪失という危険であり、アメリカでは毎年50万人もの人がガンで亡くなっている。 われわれはこの危険に気づき、その危険が現実のものとなるのを防がねばならない。
ガンを治すことは、医療関係者、研究者、政府の関係部門などなどの人々を失業させることになる。 治癒をもたらすよりも、治癒を否定し、あるいは馬の鼻先にニンジンをぶらさげるように、世間の人々の前に治癒への期待をぶらさげるようなことをしている人々とはいったい誰なのか?製薬業界には、合成薬品で市場を独占するために、自然な物質の働きを否定しようとしている人々がいるのではないか?乳児用の調整ミルクなどのことを考えてもみよ。

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